
記事のターゲット読者
- 自社のオフィス環境を、より先進的で生産性の高い空間へと変革したい企業の経営者・ご担当者
- サービスロボット導入による、具体的な業務効率化や働き方の変化に関心のある方
- テクノロジーと人が共存する、新しいオフィスのあり方を模索している方
近年、脱炭素化や働き方の多様化に伴い、都市部のオフィスに求められる価値は大きく変化しています。
竹中工務店様は、その変化に応えるべく1999年竣工の既存オフィスビルを改修し、「竹中セントラルビル サウス」を誕生させました。
このビルは単なる改修ではなく、成長し進化するスマートビルとして、最先端技術を取り入れながら進化し続ける“実証の場”という位置づけを持っています。
オフィスビルストック再生のモデルケースとして、建物の延命や価値向上を図るだけでなく、そこで働く人々の知的生産性やウェルビーイング向上を目指しています。
その実現のために、複数のロボットや先進設備を組み合わせた実証実験を展開しています。その中の一部として、配送ロボット「NAOMI-2」と清掃ロボット「KIRARA」も採用されました。
コムシス情報システムは「NAOMI-2」に対して「デジタルサイネージ」、「フリートークAI」の設計、導入を担当させて頂きました。




日常の中に潜む「共存」という課題
竹中工務店様が掲げるゴールのひとつは、サービスロボットを「動くセンサー」として活用し、建物の知能化を加速させることです。ヒューマン・ロボテックチームの浅井様は、その壮大な構想を分かりやすい例えで語ります。「もしビルがひとつの生命体だとすれば、サービスロボットは体内を巡る赤血球や白血球のようなものです」。
ロボットが、まるで血液のように建物内を自由に移動し、これまで取得できなかった情報を収集・活用することで、ビル全体の健康状態を保ち、新たなサービスを生み出す。まさに、ロボットがビルの生命活動を支える重要な役割を担うという構想です。
しかし、いざ現場に導入してみると、課題は単なる技術面だけではありませんでした。エレベーターにロボットが乗り込む光景に社員が慣れるまでには時間を要し、心理的な受け入れプロセスも重要であることが分かりました。

実証実験の狙いと、検証された2つのコア機能
今回の実証実験では、竹中工務店様が掲げる「空間の知能化」という壮大なゴールに向け、弊社コムシス情報システムがNAOMI-2に実装した2つのコア機能が、未来のオフィスでどのように活用できるかが検証されました。

1. デジタルサイネージによる「コミュニケーション」
この実証実験で得られた最も重要な発見のひとつが、この「人とロボットのコミュニケーション」の必要性でした。この課題に対し、NAOMI-2のデジタルサイネージが有効な解決策となり得るかが検証されました。エレベータや自動ドアのアイコンを表示し、建物設備と連携して配送中と表示させることで、周囲の人が安心してロボットと共存できる空間づくりを目指しました。


「想定以上にロボット側から人に対して状況を知らせる必要があると感じました。例えばエレベータ前で待っている時など、ロボットが今何をしているのかが周囲の人に分からないと、スムーズな共存は難しい」
エンジニアリング本部 ヒューマン・ロボテックチーム 専任副部長 浅井隆博 様


2. フリートークAIによる「インタラクティブ体験」とその課題
この「フリートークAI」は、大きく分けて2つの機能があります。 一つは、生成AIを活用した、文字通り自由な「会話」機能。「〇〇会社の情報を教えて」や「〇〇駅の終電を教えて」といった質問に、AIが音声で回答します。
もう一つが、ロボットを直接動かす「音声操作」機能です。「〇〇へ案内して」といった明確なコマンド(指示)を音声で与えることで、ロボットを意のままに動かすことができます。

しかし、この2つの機能を実際に運用する中で、未来に向けた新たな課題が見えてきました。 それは、現状のシステムでは、AIによる自由な「会話」と、コマンド型の「操作」が分断されているという点です。
例えば、「この近くにコンビニはありますか?(会話)」→「セブンイレブンがあります(会話)」というやり取りの後に、「じゃあ、そのセブンイレブンに案内して(操作)」と続けて指示を出しても、ロボットは会話の流れを汲んで動作することができません。

人とロボットが真にスムーズな対話を実現するためには、この「会話」と「操作」をシームレスに連携させる必要がある。今回の実証実験は、その重要な課題を浮き彫りにしました。
実証から見えた成果と、未来への展望
今回の竹中工務店様における実証実験は、単にロボットで業務を自動化する試みではありません。それは、浅井様が語るように、ロボットをビルという生命体を巡る「赤血球や白血球」と捉え、空間そのものを知能化していくという壮大な構想の、確かな第一歩です。
その過程で、人とロボットが心理的に「見慣れる」時間が必要であるという発見や、デジタルサイネージによるロボットの状況の可視化が共存に不可欠であるという確証が得られました。同時に、「会話」と「操作」の分断という、より自然なコミュニケーションを実現するための次なる技術的課題も明確になりました。

「サイネージ連携や会話による作業指示は今後様々な人がロボットとコミュケーションするために必要な技術だと思っています。まだ実験半ばで課題が多いですが、これからの技術の進展に期待です。」
エンジニアリング本部 ヒューマン・ロボテックチーム 専任副部長 浅井隆博 様

浅井様の言葉通り、これはまだ実験の半ばです。しかし、今回の実証で得られた数々の貴重な知見は、人とロボットが真に共存する未来のオフィスを形づくる上で、間違いなく大きな前進となることでしょう。

| 社名 | 株式会社竹中工務店 |
| 創立 | 1610年(慶長15年) |
| URL | https://www.takenaka.co.jp/ |
| 本社住所 | 〒541-0053 大阪市中央区本町4丁目1-13 |
| 竹中セントラルビル サウス住所 | 〒136-0075 東京都江東区新砂1丁目3-3 |
| 主な事業内容 | 建築工事及び土木工事に関する請負、設計及び監理 建設工事、地域開発、都市開発、海洋開発、宇宙開発、エネルギー供給及び環境整備等のプロジェクトに関する調査、研究、測量、企画、評価、診断等のエンジニアリング及びマネジメント 土地の造成並びに住宅の建設 不動産の売買、賃貸、仲介、斡旋、保守、管理及び鑑定並びに不動産投資に関するマネジメント 造園、園芸及び植林等の緑化事業並びにこれらに関する保守及び管理 建設用機械器具、鉄鋼構築物、建設用コンクリート製品、建物空調用冷却装置、建築用木工品及び家具の製造、建設用機械器具、建設用資材、建物空調用冷却装置及び家具の輸出入、販売、賃貸、修理、保守、管理並びにこれらに関する研究開発及び検査の受託 保守警備及び清掃業務 廃棄物の収集、運搬、処理及び再利用、環境汚染状況調査及び環境汚染物質の除去並びに電気、熱等エネルギーの供給、販売 庁舎、教育施設、医療福祉施設、廃棄物処理施設、道路、鉄道、港湾、空港、公園、上下水道等の公共施設及びこれに準ずる施設等の企画、建設、保有、維持管理及び運営 宿泊施設、保養所、スポーツ施設、遊戯施設、文化施設、貸ホール、飲食店及び駐車場の経営 工業所有権、著作権、ノウハウ、コンピュータを利用したソフトウェア等の取得、開発、実施許諾及び販売 広告、出版、印刷、映像及び広告・宣伝・通信に関する情報媒体の企画、制作及び販売並びに各種情報の収集、処理及び提供 電気通信事業法に基づく電気通信事業及び放送事業 コンピュータ、通信機器、事務用機器及びその周辺機器の販売、賃貸、保守及び管理 自動車、美術品、写真機及び日用雑貨品の販売、通信販売、仲介及び斡旋 損害保険代理業、自動車損害賠償保障法に基づく保険代理業、生命保険の募集に関する業務、旅行業法に基づく旅行業及び旅行業者代理業並びに労働者派遣事業法に基づく労働者派遣事業 総合リース業 医療用機械器具の販売 金融商品取引法に基づく第二種金融商品取引業及び投資助言・代理業 貨物利用運送事業、海上運送事業及び内航海運業 金銭の貸付、債務の保証、債権買取等の金融業務 前各号に関するコンサルティング業務 前各号に付随する業務 |

実証実験や導入をご検討の方へ
弊社では、今回のような現場環境に合わせたサービスロボットの実証実験や、運用モデルのご提案を行っています。
「自社でも試してみたい」「どのように活用できるか知りたい」という方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。





